〝リバース″という革

革の裏面(床面)に毛足を寝かせる等の特殊な処理をしたもので、
この革で作る場合、通常は表面(銀面)を使わずに床面を使います。

床面なので小さな血管の跡が随所に表れ、また銀面には元キズや虫食い・シミもあります。

キズの多さは非効率・不均一を生みますが、適度な厚みとハリがありまた含まれるオイルにより
しなやかさも兼ねているところなどはベジタブルタンニンなめし(バケッタレザー)の良さを
伝えてくれます。

製造元は、それの代表格であるイタリア老舗タンナーのバダラッシ=カルロ社。

バケッタレザーだけが〝良質″とは云えませんが
手にした際の手応えから伝わる質感は、やはりこの革ならではといったところでありましょう。

リバース表面IMG_5153
バケッタのリバースIMG_5166
傷もいっぱいIMG_5173

ロットによるブレはつきもの。
ツヤの出方(仕上がり具合)や色の濃淡も毎回微妙に違います。

 ロットで様々IMG_5177

裁断時、グリセリンその他を薄めた液を少し塗ってはガラス板で擦る、を繰り返して
シワに見える表面の凸凹と毛足の方向を均します。少し表情が変わります。

財布の〝顔″をフラットにするために・・・。

ひみつの配合でIMG_5198
磨きますIMG_5210
つやつやIMG_5228

床面と銀面を使い分けて作る LongWallet(SG-012) と CardCase(SG-014)。

ホック等でフラップを止める仕様にするかしないか。
両方作ってみてしばらく寝かし、潔い方を選んでから5年が経ちます。

ウォレットたちIMG_5260

秋冬に向けての仕込みが一部完了。
商品のお届けは9月末予定です。

9月までお楽しみにIMG_5250